ギンイロノナミダ - Essay

Essay

69. 神童

マナブさんは昔、神童と呼ばれていました。去年は新郎と呼ばれたこともありました。今では再び新郎となることも可能な戸籍になりました。更に今は遅漏です。ウソです。でも早くはないです。前戯が長いです。でもモノはあまり長くないです。何を書いているんですか、このバカ者は。何の話でしたっけ。そうそう、神童です。

マナブさんの神童ぶりは1歳半の頃に開花したと親戚一同から聞いています。親戚一同が認めているのもすごいとは思うのですが。

1歳半のとある日、マナブさん(1歳半)はおじいちゃんとおばあちゃんが生活している隠居部屋にいました。太陽の光が残るその部屋はぽかぽかと暖かく、マナブさんはついつい、粗相をしてしましました。粗相と書いてはいますが、ぶっちゃけウンコを漏らしたのです。畳の上に。

「しまった!」と1歳半のマナブさんは思いました。ここからがマナブさんの神童っぷりが全開です。ちょうど部屋には誰もいません。「…証拠隠滅せねば…」西日の傾く部屋でマナブさんは目を細め静かに呟きました。このころからダンディの要素はあったみたいです。神童たる所以です。

すばやく近くにあった箒を手に取ると、マナブさんは畳の上のブツ(=ウンコ)を猛烈な勢いで掃き始めたのです。箒に掃かれ畳の上で転がるブツ(=ウンコ)。少しずつながらも小さくなるブツ(=ウンコ)。無事に縁側から庭に排出したときには3分の1くらいの大きさになっていたのではないでしょうか。

マナブさんは一仕事終えた満足感と、額から流れる汗に充足感を覚え、スキップしながら部屋を去ろうとしたとき、

「なんじゃあこりゃあぁぁぁっ!」←従姉妹の絶叫。

畳の目に詰まったウンコを取り除くのに2日を要したそうです。両親や伯父さん伯母さんが総出で部屋を雑巾がけしている最中、「このクソガキがぁっ!」と従姉妹に叩かれ続けたマナブさんは「あぁ、畳の上でウンコを掃いちゃいけないんだな。」という思いと「あぁ、ウンコとクソで掛詞かぁ。」という神童らしい解析をしながら小さな胸に一つのトラウマを刻み込んでいました。

いずれ自分に子供が生まれたら、「掃除機」という文明の利器があることを教え込みたいと思います。

不覚にも今日の晩飯はココイチのカレー(うまとろ豚)。

(2003.9.13)