ギンイロノナミダ - Essay

Words - 別世界

時計

僕の時計が
時を刻まなくなったのは
君と一緒に居る時間を
永遠のものにしたかったから

秒針の音が
聞こえなくなるほどに
君をずっとずっと
抱きしめて居たかったから

でも

もうすぐ止まっていた時計は
動き出すのかもしれない
君がこの部屋を出て行く足音は
まるで秒針のように
規則正しく
迷いがない

口癖

いつのまにか
僕の口癖を覚えてた君
同じ時を過ごした分だけ
同じ言葉を覚えたんだね

これからは
違う誰かの口癖が
君の口癖になるんだろうね
少し淋しいけど

そいつの前では
僕の口癖を言わないように
遠くの町から願うよ

Silver

中指の空虚さが
ふと君を思い出させる

おもちゃのような恋だった
思い出しては苦笑い
けれど本気の恋だった
君を離したくなかった

君が離れていったあの日
中指のリングを小さな箱に
そして僕の心も小さな箱に

中指の空虚さに
まだ君を思い出す

消せない想い

まだココロのどこかで
君を忘れられずにいる

たとえば夕焼けの色
FMから流れるナンバー
薄紅の桜
風のにおい
青空

君と共有した時間
君と共有した景色
そこにはいつも君がいて
そしてぼくに微笑んでいた

君の心変わりを責めない代わりに
君を想い続けることを許してほしい
この想いが届かなくとも

この声が君に届かなくとも

Yesterdays never come back

昨日が戻ってこないこと
本当は分かってるはずなのに
昨日と同じ今日なんて
本当は退屈なだけなのに

求めるものは何もない
君の面影すら必要ない
失うものも何もない
もうすでに失くしているから

できることなら
君を嫌いになりたい
君の嫌なところをひとつずつ数えて
君を嫌いになりたい

こんなにしてまで
君を忘れようとしている僕は
きっと君を忘れられないだろう
けれど過ぎた日々はもう戻ってこない

君のいない世界

開けてはならない扉
うかつにも開いた僕は
その日から別世界に迷い込んで

そこには君はいない
時間はただぼんやりと
僕のためだけに存在していて

この世界に迷い込んで
いつのまにか時は過ぎ
君がいないことを当たり前と受けとめて

今 僕の目の前には
ふたつの扉
「過去」と「未来」
僕はまだそれを開ける勇気がなく
君のいない世界でぼんやりとしている

いつか君を忘れたとき
もしくは君を思い出したとき
僕はどちらの扉に手をかけるだろうか