あまり蚊に刺されない。
動物は本能で選り好みをするのならば、俺の血は相当不味いのだろう。納豆を食べると血液がサラサラになるらしいが、俺は納豆を食さないので、血がドロドロ、いわゆるコロイド状態になっているのではあるまいか。
そのコロイド粒子が蚊の口を詰まらせ、一匹の蚊が窒息死してしまう。それを見ていた他の蚊が(特にその死んだ蚊の妻だとなお良い)俺を刺そうとした他の蚊(息子)に「お父さんみたいに死にたいの!?ケンジっ!」
息子蚊:「離せオフクロ!せめて、せめて一矢報いたいんだ!親父の仇だ!」
ぱしーん!母の平手(羽)がケンジの頬を叩く。
立ちすくむ(飛びすくむ)ケンジ。
「…お父さんはそんなこと望んじゃいないわ。あなたに立派な蚊になってもらいたいはずよ、ケンジ。だから分かって。もう無茶はしないで…。」
「…母さん…」涙を流すケンジ。
ちなみに人の血を吸うのはメスだけらしい。俺の妄想を根底から覆す事実。