キはキスのキ

漢字で書くなら鱚

色っぽい話ではありません。魚篇のキスです。天ぷらにすると美味いキス。小学生の頃は海のそばに住んでいたのでヒマさえあれば親父と釣りに行っていた。今考えたら親父も結構家族サービスに勤しんでいたのだなぁ。

目標となる魚はキスなのだが、面白いくらいにヒトデが釣れていた。チヌを釣りに行けば必ずと言っていいほどフグが釣れた。俺は何が釣れても結構楽しかったのだが、夕食のおかずにならない魚たちはことごとく親父の手により葬られた。いや、正確には葬らずに放っただけなのだが。

大漁の夜は釣り談義に花が咲いた。俺と親父であのときはああだった、逃がしたのはかなり大物に違いなかったと騒ぎ、おふくろと妹は笑いながらそれを聞いていたのだ。今ではなくなってしまった日本の団欒がそこにはあったのだ。

昔を思い出すのは歳をとった証拠だと誰かが言っていたが、それはそうだろう。今年俺はあの頃の親父の歳になる。

少ししんみりした日記でスマン。

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