だけど勝者はわずかひとりで
他の人からどう見えるかわからないけれど、今の僕は成功とは遠いところにいて、この先もずっと上に行くことはないと思っている。野心もない。すっかり枯れてしまった。結婚して子供も生まれて小さいけど家も建てたけれど、本当にやりたかったこととは違う方向に来てしまった気がする。いくつものチャンスはあったんだと思う。チャンスの巡り合わせは運とタイミング。この思いは昔から変わらないけれど、そのタイミングをずっと逃していつまでも勝者になれないでいる感覚が抜けない。
ただ、今のこの状況が幸せでないのかと問われれはそうでもないし、むしろ幸せな状況にいることは間違いない。ただ何かを失ってしまっている。それは夢を諦めて安定を手にしてしまった時に手放したものだと思う。いつまでも夢を追い続け幾つもの夢を叶えた友人を羨ましく思う。友人にはいつまでも前を向いて走っていてほしい。それを励みに僕も今のこの毎日をゆっくりと歩いて行こうと思う。
(引用:KAN「ライバル」)