これから大人のクリスマスパーティに行ってきます
「大人の」と冠が付けられたパーティですから、帰宅がかなり遅くなると思うのです。ひょっとしたら帰って来れないかもしれないのです。なんたって大人のパーティですから。それゆえ、こうしてこんな早い時間に更新しているのです。タキシード(貸衣装)も準備万端です。ネットでお洒落な仮面も買いました。きっと会場の視線は私に釘付けだと思います。
1次会ではきっとロングドレスの素敵な女性が私にワインを勧めると思うのです。私はそれを爽やかな笑顔で受け取ると思うのです。そしてこう囁くのです。
「今夜の出会いに乾杯」
…大人です。
パーティが佳境に入る頃、私たちはそっと会場を抜け出すのです。そして静かでムーディなバーで語らうのです。いや、語らう必要はありません。言葉など必要ないのです。見詰め合う瞳が雄弁に語るからです。なんてったって大人ですから。
店を出て、私たち二人はタクシーに乗りこみます。行き先を告げると、運転手は黙ってタクシーを走らせます。車内でも言葉は要りません。私たちは大人なのですから。しばらく走ると、「少し…気分が悪いの…」と彼女が囁きます。私は慌てて車を止めます。車を降りると、そこはキラキラとネオン輝く建物の前でした。「ここで休んでいこうか?」彼女に問い掛けると彼女は目を潤ませながら頷きました。私たちは自動ドアを抜け、建物の中へ足を踏み入れました…。
「♪~523番台、スタートしいたしました!」
ふと横を見ると彼女は足を組み、煙草をふかしながら「なんだよっ!全然出ねぇじゃねぇかよっ!」と台を叩いています。そうです、煙草もパチンコもオッケイなのです。だって大人なのだから…。
なんて妄想をしていたら遅刻しそうな時間になってしまいました。大人のパーティへ行ってきます。。。(あまり気が乗らない顔で)